オープンキッチンが映える二世帯住宅
暖かく・広く・快適にリノベーション
Oさんのお住まいは、2人目のお子さんが生まれたのを機に中古の平屋を2階建てにリノベーションした2世帯住宅です。2019年11月から工事が始まり、2020年4月に完成。Oさんご夫妻と2人のお子さん、奥様のお母様の5人家族で新しい暮らしをスタートさせました。
リノベーション前の平屋は約30坪の3LDKで、インスペクション(現況検査)を行って構造体に使われている木材の状態や、雨漏り・劣化などの不具合がないかどうかをしっかり確認。柱や床梁などの木材は腐れもなくいい状態を保っており、床下部分に土を入れて砂利を敷き直したほかは、柱等の構造木材や基礎をそのまま活かしています。リノベーション後は2階の増築部分を含めて約40坪の広さとなり、1・2階ともゆとりある空間構成で子育てにも最適なプランとなっているのが大きな特徴です。
Oさんがリノベーションにあたって要望されたのは、それまで住んでいたアパートが寒かったことから、まずは“暖かい家”であること。そこで断熱施工は当社規格住宅『夢育の家』と同等の仕様を採用。外壁は柱の間に高性能グラスウール100mmを充てんし、その外側に高性能フェノールフォーム(ネオマフォーム)を外張りした付加断熱で、天井にはブローイング断熱材を400mm、床は高性能グラスウール150mmと現場発泡ウレタン30mmを施工しています。
もちろん断熱性能だけ高めても、気密性能が低ければ快適な暖かさを得ることはできません。そこで防湿・気密シートを新築同様に貼り直すとともに、壁の中を床下からの空気が通り抜けないよう、気流止めも施工。それによって気密性能を表す相当隙間面積=C値は0.5cm2/m2と、当社の新築住宅と遜色ない数値を達成しました。このほかにも、末長く安全・安心な暮らしを送れるように、耐震性能は耐震診断で上部構造の評点が0.8だったところ、補強等によって1.2まで引き上げています。
室内を見ると、1階はオープンなLDKとお母様の部屋、ユーティリティなどの水回りで構成したプラン。LDKはワンルーム感覚で最大限広く使いたいこと、お母様の部屋はゆとりある空間として2方向から出入りできるようにすること、オープンキッチンを採用すること、ユーティリティも広々としたスペースとすることなど、Oさんの要望に応えました。
特に奥様が希望していたオープンキッチンは、「料理しやすく、子供たちの様子も見ることができるので、とっても気に入っています。以前暮らしていたアパートのキッチンは、壁に囲まれていて子供の様子を見ることができなかったので、この差は大きいですね」とお気に入りの様子。家事などでちょっとした作業ができるカウンターデスクがあるのも嬉しいですね。ちなみにダクトレールを使った照明も奥様の要望で、インスタグラムの写真を参考にしたという背面の飾り棚は、集成材とダーク塗装の受け金物を使って造作したものです。
子世帯スペースの2階は、ミニリビングとOさんご夫妻の寝室、2人のお子さんの部屋を設けています。ミニリビングは、お母様とOさんご夫妻でお客様が重なった時にも、それぞれ応対できるように考えてのこと。さらにミニリビングからは、愛犬のトイプードル・ラブちゃん専用のドッグランにもなるバルコニーを設置。ティータイムを楽しんだり、洗濯物を干すのに活躍しそうで、Oさんは「そのうちここでキャンプもできれば」と話します。
1階も2階も個性的な照明が存在感を放っているのも、大きなポイント。Oさんは少し暗めの照明を気に入っていると言い、小型のシーリングライトやアンティーク風の吊り下げ式照明、間接照明などによる多彩な光が室内を照らします。
快適でゆとりがあり、夜には雰囲気のある明かりが灯る住まい。Oさんとご家族にとって、この家で過ごす時間がとても楽しく、かけがえのないものになりそうですね。